スマートキーって・・・、ちょっと怖いと思わないか?
なんたってクルマのキーを愛車に突き刺して回すという常識を完全にくつがえし、スマートキーを携帯してるだけで・・・、
・施錠
・解錠
・エンジン始動
以上のことができてしまうようになったんだからな。
スマートキーをポケットから取り出すことも、触れることもしないでいいんだぜ。
ほとんどキーホルダー感覚。
怪しまないほうがオカシイだろ、フツー。
P’Deanは、ボクのことを怪しいって思っているの?
そんなわけないだろ。お前のことは全面的に信じてるから、安心しろ。
不安そうにみつめてきたPharmの頭をそっと撫でてやると、安心した表情を浮かべてニッコリと俺にほほ笑んでくれた。
あぁダメだ。
ごめん、今日もいわせてくれ・・・。
お前は本当に、可愛いな。
そう。
今でこそスマートキーを搭載しているPharmのことを、怖いとも怪しいとも思ってはいない。
しかしPharmのことを探し続けた数年間は、スマートキーというものの正体がつかめずに不安がずっとつきまとっていたんだ。
施錠・解錠はともかく、「なんでエンジンまでかけることができるんだ?!」・・・てな。
Pharmを迎え入れて、はやくも半年が過ぎた。
Pharmと一緒にいると俺は、自分が自分じゃなくなるくらい幸せで。
あまりにも幸せすぎてスマートキーに対する恐怖心を忘れていたんだが、この記事を書くために改めてスマートキーのしくみを調べてみたんだ。
Pharmの主人として、知っておかなければならないことだからな。
おかげでスマートキーのなんたるか、セキュリティ面のなんたるかを知ることができて、スマートキーに抱いていた不信感を完全に払拭することができたんだ。
スマートキーとは
スマートキーとは、キーに装備したボタンを押して施錠・解錠を愛車に命令することができるクルマのキーなんだけど・・・。
じつは施錠・解錠するのにスマートキーを必ずしも触る必要はなくて、ポケットなどに入れっぱなしにしていても操作することができてしまうんだ。
さらに、アンロック(解錠)した愛車に乗り込んでスタートボタンを押してやれば、エンジンをも始動させることができる優れもの。
愛車がスライドドアを搭載していれば、そのドアの開閉だってできてしまうんだぜ。
まるで愛車と意思疎通ができているみたいで、本当に愛おしく思えるよな。
ちなみにスマートキーからの命令がとどく距離は、だいたい愛車の5メートル以内。
スマートキーに触らないヴァージョンだと、約1メートル以内でないと操作できないんだ。
詳しいしくみは次の章で解説するんだけど簡単にいうと、スマートキーと愛車がお互いを呼び合うことでこのような操作が実現してんだよな。
スマートキーと愛車の共鳴。
ボクが、P’Deanに引きよせられたみたいに?
そうだよ。俺がPharmをみつけたみたいにな。
運命という名の赤い糸にあらがえなかった俺とPharmのように、お互いがお互いをもとめ引きつけ合うんだ。
そう、俺たちは出会うべくして出会った。
そして激しく愛し合っている。
だれも俺たち二人を、ひきはなすことなんてできない。
スマートキーと愛車も他の誰かじゃダメで、お互いが唯一無二の存在なんだ。
スマートキーのしくみ
スマートキーと愛車の関係は本当に俺とPharmみたいな間柄にあって、『唯一無二』という言葉がシックリくるんだよな。
お互いが本能で引き合う恋人同士であり、主人とパートナーという昭和の夫婦のような立場なんだぜ。
スマートキー ⇛ ⇛ 主人(俺)
愛車 ⇛ ⇛ ⇛ ⇛ パートナー(Pharm)
昭和の夫婦・・・って、Pharmが聞いたら怒るかな?
ボクは昭和の妻のように、奥ゆかしくP’Deanを立てられてるかなぁ。
Pharm・・・お前、意外とノリノリで俺は嬉しいよ。
Pharmは三つ指ついて二歩も三歩もあとをついてきてくれる、できたパートナーだ。
しかも可愛いし美人さんときてる。
俺にとってのお前は自慢の妻・・・もとい、自慢のパートナーであることに間違いないぜ。
立てばシャクヤク、座ればボタン。
つーことで、スマートキーのしくみはこうなっているんだ。
まずスマートキーを携帯している人が愛車に近づいたりドアノブに触ったりすると、愛車に埋め込まれている受信機から微弱な電波が発信される。
ピピッ「ボクに命令しているあなたは誰?P’Dean?」
その電波をキャッチしたスマートキーが、今度は愛車に向かって応答用の暗号電波を発信するんだ。
ピピッ「俺は、Pharmの主人のDeanだよ。」
で、その電波を愛車のセキュリティセンサーが受信することで、互いがパートナー同士であると認識するんだな。
ピロン「Pharmに命令しているのは、間違いなく所有者のDeanであると認識しました」
そこではじめてドアの施錠・解錠といった命令を、愛車が実行するしくみになっているんだ。
すごいよな~。
スマートキーと愛車がお互いに確認しあって、パートナー以外の人に反応しないようにしているんだから。
たとえ大型スーパーの駐車場で同じ車種・同じ年式・同じ色の車両がズラ~っと並んでいたって、決してパートナーを間違えないんだ。
それにしてもあの一瞬で、スマートキーと愛車の間ではこれだけのやり取りがなされていたなんてな。
考えると・・・、俺とPharmだって負けてられないぜ。
Pharm、振り返って俺にキスをしろ。
ダメだよP’Dean。明るい時間から何考えてるの・・・。
ちぇっ。
さすがは恥ずかしがり屋のPharmくん、一筋縄にはいかないぜ。
・・・って、思った瞬間だった。
Pharmの小さな両手が俺のほほに触れたかと思うと、可愛いリップ音とともにくちびるに柔らかくてあたたかいものがあたったんだ。
P’Deanはボクのスマートキーだもん。命令は絶対だよね。
(な、なんて可愛いことを・・・。ほれてまうやろーっ!)
スマートキーは24時間たえず、暗号化した電波を極弱のチカラで送信し続けている。
その微弱電波をキャッチできるだけの距離に近づけば、愛車はスマートキーからの命令を受信することができるようになるんだ。
命令を実行するためには、両者がお互いを認識しあえる情報のやり取りが絶対条件。
パートナー同士だけが分かりあえる暗号で情報をやりとりするようプログラムされているから、誤認識・誤作動はありえないんだ。
なんせ、暗号コードは無限大に作成できるっていう話だからな。
従来のキーよりも、防犯能力は高いんだよ。
目に見えないから不安になる。
目に見えないから恐怖を感じる。
でも、スマートキーをちゃんと理解さえすれば、不安も恐怖も払拭することができるんだ。
スマートキーの不安を一気に解決
スマートキーに不安を感じるのって、愛車と交信するエリアがどこまでの範囲なのかがわからないからじゃないかって・・・俺は思っているんだ。
なぜなら俺自身が、そうだったから。
だってそうだろ。
もし仮に交信できる範囲がメチャクチャ広ければ、パートナーに近づいていくだけで第三者に誘拐されるかもしれないじゃんか。
俺とPharmの間を、サッと割って入ってきてな。
パートナーを駐車場に置いて、10歩20歩離れたすきに盗むかもしれない・・・。
立ち去る俺の後ろ姿を尻目にな・・・。
俺の手が届かないばっかりに「大切なパートナーを守ることができなかった」なんて言ったら、目も当てられないだろ。
出た。P’Deanの頭でっかち心配性。
悪ぃかよ。俺はお前の運命の相手なんだぞ。
いつだってお前のことを一番に考えるし、一番に心配するに決まってるじゃないか。
Pharmは俺のそんな気持ちを知っててあえて、俺の弱点を暴露してはフフって笑ってみせるのが得意だ。
可愛いから許しちゃってるけど、いつまでも仏の顔ではいないかもしれないぞ、Pharmくん。
■ 俺のスマートキーのイメージは、こうだったんだ。↓
漠然と、範囲がメチャクチャ広い。
■ でも実際にはこんな感じ。↓
スマートキーを持っている人、持っている人のそばにいる第三者しか命令できない
このイメージを念頭に置いて、俺自身が不安や疑問に思っていたことを、ここに3つ備忘録として記載しておくな。
スマートキーが反応しなくなる距離は?
上記した、この画像が答えになるんだけど・・・。
● スマートキーのボタンで直接的に命令できる距離は、パートナーから5メートル以内。
● スマートキーに触れずに操作できる距離は、パートナーの1メートル以内。
このことから、愛車がスマートキーに反応できる距離が割り出せるよな。
6メートル以上 | 5メートル以内 | 1メートル以内 | |
スマートキーから直接命令 | × | ◯ | ◯ |
スマートキーを触らず命令 | × | × | ◯ |
つまり『スマートキーが反応しなくなる距離』っていうのは、愛車に手が届くか届かないかのほんの僅かの微妙な距離感で決まるんだ。
キッチリ測定してはいないが、Pharmも5メートル以上離れた場所からだとまったく反応してくれなかったし。
スマートキーに触れない場合だって、1メートル以内にいたって反応してくれないことがあったくらいだからな。
Pharmは念には念を入れて、主人である俺にでさえ鉄壁のセキュリティを発動することが・・・。
ないよぉ、勘違いだよぉ。ボクがP’Deanの命令に背くわけないでしょ。
わかってる。俺の声が届かなかっただけだもんな。
つっても、Pharmに無反応現象があらわれたときは「なんで今日は機嫌が悪いんだろう?」って焦ったくらいさ。
だけど4~5回も続けば、問題は俺自身にあるって気づくもんだぜ。
ボタンはタッチパネル式じゃないから、優しくタッチしたところで反応するわけがなかったんだ。
だから。
もしも愛車の反応が悪いときは、ボタンをしっかり押してあげるようにしよう。
これまでのキーレスとは勝手が違うけどボタンを押す感覚は同じだから、パートナーに寄り添った行動をしてあげような。
愛車の近くいるだけで第三者に盗まれる?
答えは「NO」、だ。
よっぽど「恋人同士か」ってツッコミが入るくらいの距離感に第三者がいない限り、ドアの解錠すら勝手にはできないんだ。
要するに、この画像のとおりってことだぜ。
スマートキーが愛車と交信している箇所は、
運転席の扉を開けたいなら、運転席側の扉の前にスマートキーがいなければならない。
助手席の扉を開けたいなら、助手席側の扉の前にスマートキーがいなければならない。
いくら助手席側の扉の前にスマートキーがいたとしても、運転席やトランクをアンロックすることはできないってことなんだ。
なぜなら、スマートキーと愛車の受信機は1メートル以内でしか交信ができないからだ。
一昔前のクルマって、運転席・助手席・トランクのそれぞれの扉に鍵穴があったでしょ?
その『鍵穴』が『受信機』に置き換わったって考えたら、理解しやすいかもな。
ナイスアシスト!
さすがは、よくできた俺の自慢のパートナー・Pharmくん。
助言が完璧すぎるぜ。
Pharmの言う通り、キーレスさえ搭載していないいにしえ車両の『運転席・助手席・トランク』それぞれの扉に鍵穴があったのを確かに覚えている。
スマートキー ⇛ クルマのキー
受信機 ⇛ ⇛ ⇛ 鍵穴
ということで、俺がさっき言った『助手席側の扉の前にスマートキーがいたとしても、運転席やトランクをアンロックすることはできない』という解説文も、いにしえ車両風に変換することこうなるんだ。
『助手席側の扉の鍵穴にキーを突き刺して回しても、運転席やトランクの鍵は解除されない』ってな。
以上のことから導き出される答えはひとつ。
スマートキーを手放さない限り、第三者にパートナーを強奪される心配はない。
だから愛車の目の前で井戸端会議を開催したとしても、スマートキーと受信機の距離が1メートル以上離れていれば誘拐の心配はないってことだぜ。
スマートキー不在でどこまで走る?
結論が想像を絶するんだけど、なんと!燃料が続く限り走りつづけることができてしまうんだ。
極端なはなし、エンジンを停止させず、給油さえし続ければ日本一周だって可能ってことだ。
この事実には、本当に驚いたぜ。
俺の最初のイメージは、それこそ俺とPharmを結ぶ赤い糸みたいな何かで繋がっていて、その何かが届かなくなった時点でエンジンがストンと落ちると思っていたんだ。
でも全然違った。
いにしえ車両がクルマのキーとセットじゃないと走行できないのに対して、今の車両は必ずしもスマートキーとセットじゃなくても走行できてしまうんだ。
ボクにそんな能力が備わっていたなんて・・・。
Pharm、俺とお前はずっと一緒だ。決してお前の手を離さないから。
軽くショックを受けたPharmは俺の手を握りしめて、カタカタと震えているようだ。
Pharm落ち着いて、俺はずっとそばにいるよ。
お前を誰にも渡さない。
約束する。
震えるPharmをそっと抱き寄せてやさしく背中をさすってやると・・・次第に落ち着きをみせはじめた。
ひとつ大きく息を吐いたPharmは、俺の背中にその細い腕を巻きつけてきたんだ。
・・・P’Dean。
何も言わなくていい。お前のそばにいるから。
エンジンをかけるための情報交換を終えて愛車がエンジンをかけると、あとはスマートキーがあろうがなかろうが関係なく、ガソリンが続く限り走り続けるんだ。
でも、スマートキー不在の状態でエンジン停止をしてしまうと、再びエンジンを始動することはできない。
なぜならスマートキーと愛車は『唯一無二の存在』だからだ。
Pharmが俺を信じて着いてきてくれているように、愛車は自分の相方となるスマートキーだけを信じている。
他の誰かじゃダメなんだ。
ここで俺的メモ
スマートキーがなくても走行できてしまうのには、ちゃんとした理由があるんだ。
たとえば、なんらかのトラブル(事故)に遭ってしまって、スマートキーが車外に放り出されてしまったとしよう。
もし俺の想像したとおり、ある一定の距離をあけてしまうことでエンジンがストップしてしまったら・・・。
再びエンジンを始動させることができなくなってしまうんだ。
緊急で動かしたくても、エンジンが始動しない限り動かすことができなくなる。
だったらスマートキーが不在でも車両を動かしていたほうが、処理するのに便利だねという判断が下されたんだ。
最悪の状況のことまで・・・。よく考えられているよな。
この記事のまとめ ●スマートキーは愛車のスベテ●
なんといってもスマートキーのしくみがわかっていない間は、Pharmとの距離感がまったく掴めなくって不安でしかたなかった、俺。
しかしスマートキーのしくみを理解してしまえば、従来のクルマのキーよりも優秀でセキュリティにも長けていることがわかったよな。
スマートキーと愛車の関係性は、昭和の主人とパートナーをそのまま再現したような立ち位置。
だから、スマートキーはいつでも命令する立場だし、愛車はその命令に忠実に従う受け身の立場にあるんだ。
P’Deanはボクのスマートキー。だから絶対に逆らわないよ。
一方的に命令していたキーレス時代に比べ、スマートキーは愛車と情報のやり取りをしてお互いを確認する作業をおこなうようになったんだ。
お互いがパートナーであることを認識できない限り命令を要求し続けないスマートキーと、命令を受けつけない愛車。
これぞ鉄壁のセキュリティ。
本当に愛しあって信頼しあっている二人にしかできない芸当だぜ、俺とPharmみたいに。
Pharm、愛している。
はい。ボクもあなたを愛しています。
もしも、少し前の俺みたいにスマートキーに疑惑を抱いていたのなら、この記事で70%くらいは解消されたんじゃないかな。
愛車から2~3歩も離れてしまえば、誘拐される心配がないし。
ましてやエンジン始動なんて、物理的にありえない。
それさえ自分の中に落とし込めば、絶対的にスマートキーを搭載している方が便利だし安全なんだぜ。